犬との生活に欠かせない散歩ですが、愛犬がシニアになり以前より散歩を控えていませんか?
そもそも、散歩はストレス発散のほかに筋力維持や認知症の予防効果があり、老犬になっても必要なことです。
また愛犬をただ歩かせるのではなく、散歩中の愛犬の様子をチェックすることも大切です!
今回は、シニア犬の散歩中にチェックしたいポイント、安心して散歩に行くための注意点をお話します。
愛犬が快適に過ごせるように、日頃から愛犬をよく観察して老化に早く気づくことが重要です。
普段の生活はもちろん、散歩中にも老化のサインは現れます。
散歩時には次のチェックポイントを確認しましょう。
散歩中は複数の人や犬とすれ違いますが、その時の愛犬の様子はどうでしょうか?
以前は他の犬や人を気にしていたのに、今は反応がない場合は老化の現れかもしれません。
というのも、犬は老化に伴い好奇心が薄れていきます。
散歩に限らず、おもちゃに興味を示さなくなったりご飯に対する執着がなくなったりします。
全体的に「これが気になる」「こうしたい」という欲求が減ってくるのです。
散歩ですれ違う犬や人への反応しなくなると、「散歩がしやすくなった」と感じることもあるでしょう。
無理に他の人や犬に興味を持たせる必要はありません。
ただ、好奇心を抱くことは脳の活性化に重要です。
愛犬の散歩中の反応が薄れていると感じたときは、次のことを試してみてください。
- ・散歩のルートを変える
- ・枝をまたがせて遊び要素を入れる
- ・愛犬に話しかけながら散歩する
など、少しでも好奇心が増す工夫をしてみましょう。
老化が進むと段々と体力が落ちていきます。
そのため散歩中の愛犬の歩くスピードもチェックしましょう。
歩くスピードがゆっくりになり、途中で何度も立ち止まることも珍しくありません。
同じルートでも以前より時間がかかるようになった場合は、老化のサインと考えていいでしょう。
散歩の距離を短くするか悩むところですが、運動量を減らすと筋力低下を招き、脳への刺激も少なくなります。
愛犬が嫌がらない限りは歩く距離は変更せず、途中で休憩をはさむなど様子をみながら調整しましょう。
散歩コースにある段差や坂道を愛犬が嫌がることはありませんか?
段差や坂を拒むのは単に脚力が低下しているだけの場合もありますが、膝など関節部分に痛みを感じている可能性も高いです。
関節の痛みは老化にともない現れやすい症状です。
慢性的な痛みは愛犬のストレスになり、生活の質を低下させる恐れもあります。
サプリメントで痛みを緩和できる場合もあるので、「老化だから仕方ない」と諦めず、一度獣医さんに相談しましょう。
また、脚力の低下が原因で段差や坂を嫌がっている場合、その道を避けていると脚力は低下する一方です。
急な坂は体に負担をかけるのでNGですが、ゆるやかな坂は老犬のトレーニングにおすすめです。
傾斜のゆるい坂をゆっくり登ったり下ったりすることで後ろ足の筋肉維持が期待できますよ。
犬が散歩を嫌がるのも、立派な老化の現れです。
散歩に行きたがらなかったり、散歩中に立ち止まったりするのは、歩くこと自体が苦痛になっているのかもしれません。
また、内臓機能に問題がある場合は少し歩いただけで息苦しさを感じます。
犬は野生時代の名残から体の不調を隠す傾向があるので、飼い主さんも愛犬の異変に気づきにくいです。
- ・呼吸が荒くなっていないか
- ・足を引きずっていないか
- ・歩き方に異変がないか
愛犬の様子をチェックして、こうした異変がある時は無理には歩かせず、動物病院を受診しましょう。
今までは好きなタイミングで散歩に連れ出していた飼い主さんも多いと思います。
一方でシニア犬を散歩させる際は、安全・安心に散歩を楽しむために注意することがあります。
夏は熱中症対策のために、涼しい時間に散歩に行く飼い主さんも多いですよね。
シニア犬は体温調節機能が低下するため、特にこの配慮が必要です。
夏は比較的涼しい早朝や夕方以降、冬は日が差しているあたたかい時間帯を選びましょう。
防暑・防寒対策も忘れずにしてください。
若い頃はすぐに散歩へ出ていたと思います。
しかし、愛犬が高齢になったらすぐに散歩へ出発するのは注意が必要です。
なぜなら、老犬になると急な運動が心臓や関節に負担をかけることがあるからです。
そのため廊下をゆっくり往復させるなど、軽い運動をしてから散歩に出ましょう。
何度も行うと散歩前に疲れてしまうので、2〜3往復程度で十分です。
老犬に限らず、首輪に直接リードをつなぐと引っ張った拍子に犬の首を絞める危険があるため、あまりオススメできません。
シニア期は骨も弱くなっているため、些細な力でもダメージを受けてケガにつながる危険もあります。
愛犬の散歩は若いうちから首輪ではなく、ハーネスを利用しましょう。
シニア用ハーネスは胸に装着するタイプのほかに、歩行を補助するタイプもあります。
愛犬の状態に合わせたものを選んでください。
散歩の量は犬の体格や健康状態によって異なります。
一般的な目安は‥
小型犬は1回20〜30分、中型犬は1回30〜60分、大型犬は1回60〜90分。
それぞれ1日2〜3回行うのが理想と言われています。
一方、シニアになると体力が落ちるため長時間の散歩が難しくなる場合もあります。
もちろん、まだ十分歩けるのに「シニアだから」という理由だけで散歩時間を短くする必要はありません。
ただ、散歩中に立ち止まって動かなくなる等の様子が見られた際は、無理に長時間散歩せずに1回10分程度で帰宅しましょう。
散歩はストレス発散や筋力維持など、愛犬の心身の健康を保つのに欠かせません。
シニア犬を散歩させる際は、愛犬の様子を確認しながら時間や距離を調節しましょう。
歩くのが困難な場合は、抱っこやカートで連れ出すのも脳の刺激になります。
無理のない範囲で楽しく散歩をしましょう。