「シニアになって犬の性格が変わった」と耳にしたことはありますか?
実際に若い頃と比べ、愛犬の性格が変わったように感じている飼い主さんもいるのではないでしょうか。
今回は、シニア犬の性格が変わったと感じる理由やその場合の対処法をご紹介します。
人と同じく、犬も性格はそう簡単に変わらないでしょう。
ただ、犬もこれまでの経験からさまざまなことを学びます。
そのため、考え方や欲求に変化が現れるケースも珍しくありません。
シニア犬の飼い主さんのお悩みとして多いのが「愛犬が頑固になった」と言う声です。
こだわりが強くなった・言うことをきかなくなったとよく聞きますが、これは“性格”というより愛犬の“考え”の変化だと思います。
また、犬は長年の経験から、食べ物や人に対する好き嫌いもはっきりしてきます。
若い頃に比べると「つれないな」と感じたり、反対に「愛想がよく甘えん坊になった」と感じたりさまざまです。
愛犬の変化に飼い主さんは戸惑ってしまうでしょう。
しかし、人も犬も生き物はみんな「変わり続けるもの」です。
その変化も楽しむつもりで接していけるといいかもしれません。
犬は嗅覚が優れていますが、老化にともない徐々にその力は衰えます。
また視力や聴力など他の体の機能も低下します。
その影響から、日常でも不安や孤独感を抱くようになり臆病になるケースも多いでしょう。
臆病になった犬は、触られた拍子に驚いて飼い主さんを噛んでしまうことがあります。
そのため「急に気性が荒くなった」と勘違いする飼い主さんも多いです。
一方、感覚器官が衰えても「何も怖くない」と開き直る子もいます。
感覚の衰えによる性格の変化は個体差があるのです。
ただ、どちらの場合も愛犬が過ごしやすいようにサポートすることが大事です。
耳が遠くなった愛犬には「後ろから話しかけない」「犬の視界に入ってから話しかける」ことを心がけましょう。
愛犬の視力が落ちたときは、家具にぶつからないように動線を広くするなど、愛犬の不便を解消する工夫をしましょう。
犬は年を重ねると、排泄のコントロール機能が低下して、トイレを我慢できなくなります。
若い頃であれば、トレーニング次第でトイレのタイミングもコントロールできますが、高齢犬には難しい話です。
トイレの失敗を繰り返すようであれば、オムツの使用を検討しましょう。
ただし、オムツが汚れたままではお尻の皮膚が炎症を起こす危険があります。
こまめに取り替えて、清潔に保つように気をつけましょう。
また、体温調節機能の低下により寒さや暑さへの耐性も弱くなります。
高齢犬は自力での体温調節が難しいので、部屋の中を1年通して一定温度を保ってあげることが理想です。
季節ごとに冷房と暖房と使い分けましょう。
室温は23度〜26度を目安に設定すること。
愛犬の様子を見ながら、必要であれば服を脱ぎ着させて調節してください。
また何か不快なことを感じていると、吠えて飼い主に訴えかけることもあります。
愛犬の様子を観察しながら何を訴えているのか考え、その都度対処していきましょう。
「食に執着するようになった」「怒りっぽくなった」などの変化が見られる場合は、認知症など病気の可能性も考えられます。
犬の認知症も人と同様に記憶障害が主な症状です。
食事を終えたばかりでもまだご飯を欲しがったり、飼い主を理解できずに噛みついたりするケースも珍しくありません。
その他では、体に痛みがあると抱っこを嫌がったり怒ったり普段と様子が変わります。
また、甲状腺機能に異常がある場合は食欲が増し、被毛が減少するなどの症状が見られます。
どの病気も早期の発見・治療が大切です。
愛犬の変化を「加齢のせい」と簡単に決めつけてはいけません。
少しでもおかしいと感じたときは、早めに動物病院を受診してくださ
愛犬の性格が変わってしまったとショックを受ける飼い主さんもいるでしょう。
さまざまな理由から性格が変わったように感じても、愛犬が大切な家族であることは変わりません。
愛犬とこれまで築いてきた思い出や信頼関係も永遠に無くなることのない大切な宝物です。
飼い主さんはあまり思い詰めずに、シニア犬の性格の変化を受け止めてくださいね。