食事は生きる上で大切なことですが、シニアになり食が細くなる場合もあるので飼い主さんは心配ですよね。
この記事では、シニア犬がご飯を食べなくなる理由と対処法をご紹介します。
シニアになると段々と体の機能が衰え、嗅覚などの五感も鈍くなります。
その結果、以前は食いつきの良かったご飯にも興味を示さなくなり、食べなくなるケースも珍しくありません。
シニア犬の嗜好性を高めるには、ご飯の匂いを強くすることが重要です。
ドライフードは40℃位のぬるま湯でふやかし、ウェットフードは電子レンジで数秒ずつ温めましょう。
熱湯でふやかしたり電子レンジで温めすぎると、熱に弱い栄養素を破壊してしまいます。
とくに電子レンジは温めムラが起こりやすいので気をつけてください。
ふやかしたり温めたりしても食いつきが悪い場合は、さらに嗜好性の高い市販のふりかけや液状のおやつを混ぜてみてください。
シニアになると若い頃に比べて運動量が減ってきます。
それに比例して消費カロリーや代謝も低下するため、お腹も空きにくくなります。
犬のご飯は1日の総量さえ守っていれば、何回に分けても問題ありません。
今まで食べていた量を残すようであれば、1日分を3〜5回に分けて与えてみてください。
特にシニア犬は低血糖に陥りやすいです。
ご飯を小分けにして血糖値の急な上昇・下降を無くすことは低血糖予防にもなります。
愛犬が無理なく食べられる回数を見つけてください。
また、ご飯を食べない子の中には間食でお腹を満たしている場合もあります。
オヤツはあくまでも補食でご飯の代わりにはなりません。
ご飯を食べない場合はオヤツを控えましょう。
犬はご飯を食べる時に伏せに近い体勢をとりますよね。
シニアになると首や背中・足腰の筋力や関節が衰えるため、ご飯を食べる体勢がつらいこともあります。
また歯周病など口周辺のトラブルも増えるため、口に痛みを抱えているケースもあるでしょう。
ご飯を食べる姿勢がつらかったり口に痛みがあったりすると、食欲が湧かないのも無理はありません。
食事中の体勢がつらそうな場合は、食器の高さを変えてみましょう。
食器の位置を高くすると、首から背中にかけて真っ直ぐな状態を保つことができます。
体にかかる負担を減らせるので、ご飯が食べやすくなります。
食器台は箱などで代用してもいいですが、最近はシニア犬用の食器台も市販されているので愛犬に合った方法を選びましょう。
口に痛みがある場合は、ご飯をお湯でふやかしてスープ状にすると食べやすくなります。
ただし歯周病は放置すると体全体に菌が回って、最悪の場合は命に関わる怖い病気です。
ずっと口が痛いままでは愛犬の生活の質は著しく低下します。
口周辺にトラブルがある際は、早急に動物病院を受診しましょう。
高齢の愛犬がご飯を食べなくなると、つい病気や体調不良を疑いますよね。
一方、長年同じものを食べ続けると、単に好みが変わってこれまでのご飯を食べなくなることもあるでしょう。
わがままと感じるかもしれませんが、ずっと同じ内容だと飽きるのは人も犬も同じです。
嫌がっているのを無理に食べさせるのではなく、ふりかけやオヤツをトッピングをして味に変化をつけましょう。
とはいえ、犬の胃腸はとてもデリケートです。
食べ慣れないものを一度に多く与えると消化器官の負担になるので、過剰なトッピングは避け、あくまでも少量にとどめましょう。
フードの種類を切り替える場合も、急に変えると下痢や嘔吐を起こしてしまうので、徐々に切り替えることが重要です。
まずは、これまでのフードを9割、新しいフードを1割混ぜて与えます。
翌日はこれまでのフードを8割、新しいフードを2割と、1週間位を目安に少しずつ新しいフードに切り替えましょう。
切り替え期間中はうんちがゆるくなることもあるので、注意深く愛犬の様子を確認してください。
下痢に近い状態が続くときは食物アレルギーの疑いもあります。
その際は切り替えを中断し、早めに動物病院に相談してください。