愛犬にオヤツをあげている飼い主さんは多いですが、体の機能が衰えるシニア期はオヤツにも気をつけたいことがあります。
今回は、成犬にはOKでも高齢犬は控えたいオヤツの種類、反対に高齢犬にオススメのオヤツをご紹介します。
私はペットショップで働いていますが、飼い主さんから「オヤツは絶対に必要なの?」と質問を受けます。
結論から言うと、オヤツは絶対に必要というわけではありません。
オヤツはあくまでも“補食”です。
愛犬に適したご飯をあげていれば、オヤツがなくても健康面に問題はないと言われています。
オヤツはトレーニングや病院など苦手なものを頑張った“ご褒美”として活用するのがオススメです。
無闇に与えると健康を害してしまうので注意が必要です。
ただ、シニアになると食欲が落ちて食事を十分に食べられないワンちゃんも珍しくありません。
そうした場合は栄養調整としてオヤツが役立つことがあります。
成犬には問題なくても、消化機能や噛む力の衰えたシニア犬には不向きなオヤツがあります。
知らずに与え続けていると危険なケースもあるので、ぜひチェックしてください。
ジャーキー類は嗜好性が高く、多くのワンちゃんが喜びます。
タンパク質が豊富なので「シニア期の筋力維持に役立つ」と考える飼い主さんも多いでしょう。
ところが、ジャーキー類は繊維質で消化しづらく、消化機能の衰えた高齢犬が食べると下痢や嘔吐を起こしやすくなります。
また、ジャーキー類の多くはタンパク質や脂質が多く含まれているため、過剰摂取は腎臓や肝臓に負担をかけることも‥。
一般的に、高齢になると腎臓病や肝臓病のリスクが高まります。
そのため、健康面に問題がない子も脂身の多いジャーキーは避けたほうが安心です。
低カロリータイプでもたくさん与えるのも控えましょう。
歯磨きガムやビスケットなど、固く噛みごたえのあるオヤツを与えているご家庭も多いでしょう。
ただしシニア犬は噛む力が衰えるため、固いオヤツは喉に詰まらせる危険が高く注意が必要です。
やめさせる必要はありませんが、固いオヤツをあげる時は食べ終わるまで近くで見守ってください。
また、鹿の角やひずめ・骨・馬や牛のアキレスなどは歯が欠ける危険もあります。
高齢犬に与えるのは避けましょう。
チーズは犬用でも脂質が多くカロリーも高いです。
肥満につながったり、お腹の弱い子は胃腸に負担がかかりやすかったり、デメリットが目立ちます。
人間用のチーズはさらに塩分も含まれるため、健康な成犬でも与えてはいけません。
どうしても愛犬にチーズを与えたい場合は、カッテージチーズやモッツァレラチーズを選びましょう。
カッテージチーズやモッツァレラチーズは、低脂肪・低カロリーなので愛犬が食べても安心です。
ただし、与えすぎにはくれぐれも注意してくださいね。
脂身の多いジャーキーは消化しにくいので、シニア犬にはオススメできません。
一方、ささみジャーキーは高タンパク・低脂質。
柔らかく消化もしやすいので、比較的シニア犬でも食べやすいでしょう。
ただし、腎臓や肝臓の機能が低下したシニア犬の場合は、ささみのタンパク質が負担になることがあります。
下痢や食欲不振など気になる症状がないか確認し、かかりつけの獣医師に相談のうえ与えてください。
シニアになると喉の渇きに鈍くなり、水を飲む量も減少傾向になります。
そのため、シニア犬は成犬に比べて脱水症状や熱中症を起こしやすいです。
そこで水分補給の代わりにオススメなのが、ピューレ状のオヤツです。
ピューレタイプのオヤツは水分含有量が高く、自分から積極的に水を飲まないシニア犬の水分補給に役立ちます。
ただし、与えすぎは下痢の原因となるので注意も必要です。
パッケージに書かれている1日の目安量を守り、うんちの様子もチェックしつつ適度に与えましょう。
水分摂取量が少ないシニア犬は、便秘を起こしやすくなります。
そのため、さつまいもやカボチャなど食物繊維が豊富な食材を使用したオヤツもオススメです。
また、自宅で調理すれば添加物など不要な物も入らないので安心です。
さつまいもやカボチャを煮る・蒸す・焼くなどで加熱し、必ず柔らかい状態で与えましょう。
一般的にカボチャの皮は食べても問題ないですが、シニア犬は消化不良を起こしやすいので取り除いて与えましょう。
りんごやいちご・バナナなどのフルーツは、水分が多く天然の甘味が感じられます。
そのため食欲低下した高齢犬にオススメです。
りんごや桃には「ペクチン」という水溶性食物繊維が多く含まれています。
便秘気味など腸内環境を整えたいときに与えましょう。
スイカや梨は水分豊富なので、水分補給や熱中症対策にオススメです。
バナナは消化機能に負担をかけずにエネルギー補給ができるので、食欲のない時にもいいですね。
なお、どのフルーツも皮・種・スジ・芯は消化しにくいので、きれいに取り除いてから与えましょう。
愛犬が食べやすく消化しやすいように、薄く小さくカットしたり、すりつぶしたり工夫しましょう。
食べ過ぎると下痢をしたり糖分過多になるので、与えすぎは禁物。
特別な日のオヤツとして時々与える程度だといいかもしれません。
病気療養中の子は、かかりつけの獣医師さんにフルーツを与えて良いか相談してから与えてください。