愛犬がシニアになり眠る時間が長くなったと感じていませんか?
起こした方がいいか悩むこともありますよね。
今回は、老犬の睡眠中に気をつけたいこと・愛犬が起きた際のケアをご紹介します。
成犬は1日の睡眠時間が12時間ほどに対し、老犬は18時間以上と言われています。
つまり老犬は1日の3分の2以上も眠って過ごすのですが、なぜそんなに長く眠るようになるのでしょう?
体力がない子犬の時期も犬はたくさん眠りますよね。
同じように老犬も成犬時と比べると体力が衰えて疲れやすくなります。
トイレと食事の時間以外はずっと寝ている子も珍しくありません。
子犬でも老犬でも、たくさん眠るのは体力を温存しようとしているのでしょう。
老犬になり眠る時間が増えるのは自然なことですが、中には昼夜逆転しているケースもあります。
昼夜逆転は認知症の犬に多いですが、認知症でなくても脳への刺激が少ない場合に陥ってしまうことがあります。
昼夜逆転を避けるには、次のことを意識して取り入れましょう。
- ・日中は明るい部屋で過ごさせる
- ・適度にコミュニケーションをとる
- ・留守番時はラジオなどで話し声を聞かせる
など、愛犬に刺激を与える工夫をしてください。
愛犬が長い時間眠っていると「起こした方がいいのかな?」と悩みますよね。
結論から言うと、無理に起こす必要はありません。
無理に起こすと体力回復が遅れるため、老犬はさらに疲れてしまいます。
ただし、夜中に歩き回ったり鳴き続けたり昼夜逆転の様子が見られる場合は、昼の活動を増やすことも必要です。
抱っこやドッグカートを利用しても良いので、散歩の時間を延ばして昼の活動時間を増やしましょう。
体力温存のために長時間眠る老犬だからこそ、注意したい睡眠時の危険があります。
犬は発汗作用による体温調節ができないので、「ハアハア」と口で大きく呼吸をして体温をコントロールします。
しかしシニアになると体温調節機能も衰えます。
暑さや喉の渇きに対して鈍くなるので、睡眠時は脱水症状に注意が必要です。
室温は夏は24〜25度、冬は20〜23度くらいが老犬にとって過ごしやすいと言われています。
エアコンの風が愛犬に直接当たらないように風向きに気をつけること。
サーキュレーターで空気を撹拌すると、室内の温度ムラを防げます。
また、水分補給しやすいように愛犬の眠っている近くに飲み水を置いて、脱水や熱中症を防ぎましょう。
寝たきりの子に多い床ずれ(褥瘡)は、長時間同じ部分に圧がかかることが原因で起こります。
そのため寝たきりでなくても、
愛犬がずっと同じ体勢で眠るのを避けるには、定期的に声をかけて起こすなど工夫しましょう。
体にかかる圧力を分散させる市販の床ずれ防止マットを利用するのもオススメです。
シニア期では食事の時間になっても愛犬が起きてこないこともあるでしょう。
「お腹が空いたら起きてくるだろう」とそのまま寝かしておく飼い主さんも多いですが、これはNG !
シニアになると食欲が減退する子もいます。
そのためご飯を後回しにすると、栄養不足に陥り体調を崩してしまう場合もあるからです。
また、ご飯の時間も寝続けると時間の感覚がわからなくなり、昼夜逆転の要因になります。
昼夜逆転すると夜中に鳴き続けるなど、家族や近隣の睡眠を妨げることになるので注意が必要です。
栄養不足や昼夜逆転を防ぐためにも、食事の時間はきちんと愛犬を起こしてご飯を食べさせましょう。
睡眠時間が増えるとその分運動量が減るため、血行不良や筋力低下に陥りやすくなります。
ここからは愛犬が起きた際に行いたいケアをご紹介します。
長時間眠っていると、筋肉が凝り固まって血行が悪くなりやすいです。
血行不良になると体が冷え、ひどい場合は皮膚が壊死して褥瘡(床ずれ)ができます。
そうならないように、愛犬が起きたら固まった筋肉をほぐして血行を促すマッサージを行いましょう。
マッサージといっても、力を入れてツボを押す必要はありません。
毛並みにそって背中や足を手のひらでクルクルと円を描くように、ゆっくり撫でてあげるだけで十分です。
マッサージの時間は1回5分ほどが目安です。
嫌がる場合は無理に行わず、軽くスキンシップをとる程度にしましょう。
ケガをしている場合は症状を悪化させる恐れがあるので、独断でのマッサージは控えてください。
睡眠時間が長いと運動量も減り、筋力が衰えがちです。
筋力が衰えると散歩が苦痛になり、運動不足に拍車がかかるケースも少なくありません。
筋力低下を防ぐため、家の中では知育遊びなどで軽いトレーニングを心がけましょう。
飼い主さんが遊びに付き合うのはもちろん、市販のノーズワークマットなどを使うのもオススメ!
無理に激しい運動をしたり歩き回らせたりする必要はありません。
丸めたタオルを跨いだり、ゆるいスロープを上がったりなど、愛犬のできる範囲で試してくださいね。
愛犬の眠る時間が増えると、その分異変に気づけるタイミングが減ります。
また年に2~3回は健康診断を行うのが理想です。
愛犬の健康を維持し、異変があった際はすぐ対処できるよう心がけましょう。